2017年2月15日水曜日

佐藤亜紀『金の仔牛』

今回もまた大変スマートであった。大変スマートな狂騒。皆、活き活きと泳いでいた。敗者の役柄に甘んじる殊勝な者なぞ、誰一人いない。皆、勝ちに行く。まとまりなく、各々異なるやり方で。優雅であったり、手堅かったり。慎重であったり、大胆であったりするやり方で。もつれ合い。繋がり。交錯し。狂騒を泳ぎ抜く。何と愉快な。だのに物語は肥満せず逸脱せず、どこまでもスマートであると言う見事さよ。
事の大きさの割に。意外と皆、目的や動機は単純であると言うか。そこがまた狡いと思う。唐突に挟まれると笑ってしまう。随分呑気だ。事が嵩めば嵩む程そうなる。皆、図太い。中々のイカれ具合。よくやるよ。誰も悲壮感を帯びない。いつになく皆が皆、魅力的であると感じる。



金の仔牛
金の仔牛
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講談社 (2014-01-31)
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